渋柿の渋味成分はカキタンニンと呼ばれ、このカキタンニンが高濃度で含まれている渋柿の搾汁液を半年から1、2年発酵させて、夾雑物を減らして様々な用途に利用できるように製造したのが柿渋です。
昭和中期まで、この柿渋は日本人の生活には欠かせない必需品でした。たとえば、和紙、糸、布、材木に塗布してそれらの撥水性・防水性・耐摩耗性・防虫性および消臭効果を高める素材として利用されてきました。また、清酒のおり下げ行程における濁りの原因タンパク質の除去にも使われており、他に重金属の除去、ウイルスや細菌の増殖抑制効果、血圧降下作用や止血・やけどの治癒などに効果を示すことが報告されています。現在は、抗ウイルス製剤や化粧品、石鹸、歯磨き・口腔内洗浄液、ラーメン用麺、二日酔い防止ドリンクなどの製品が販売されています。
このような特徴ある天然有機高分子化合物である、カキタンニン及び柿渋の理解と応用を目指した研究会を平成25年5月14日に有志が結集して設立しました。この研究会は、柿渋の原料柿の生産拡大を促進するとともに柿渋およびカキタンニンの生産、加工、文化に関する活動(公益活動)を行い、柿渋関連産業の発展と柿渋文化の保存と継承に寄与することを目的[会則第2条]としております。そして今後は京奈和地域を中心に全国的な規模に発展することも計画しております。
本研究会の活動に興味をお持ちいただける方は、会員登録をして、研究会を核とした、会員間の情報交換をお願い申し上げます。
また、活動を経済的に支援していただける方や法人も募集しております。
加えて、一緒に運営などに参加していただける学生などの若い方も大歓迎です。
ホームページからお申し込みいただけると幸いです。
柿渋・カキタンニン研究会
代表(会長) 松尾 友明