柿渋サイエンスワークショップ「天然素材 柿渋の魅力を解明する」の実施報告
2019年3月23日(土)にけいはんな記念公園 ビジターセンター
最初に、本柿渋・カキタンニン研究会の会長である松尾が、今回のワークショップの趣旨と研究会の活動を目的を説明しました。そして、昨年末に本研究会が発行しました、けいはんな科学絵本「柿渋とカキタンニ」を利用しながら、魅力的な天然素材である柿渋の不思議と魅力を一般の方々に楽しく理解していただくために分かりやすく説明しました。特に、最近マスメデイアで大きく取り上げられている「海洋のプラスチック汚染問題」とプラスチックを全く利用していなかった伝統的な日本人の生活を対比させて、和紙や木材、布(糸)の耐水性、防虫性、防腐性、耐摩耗性などを高めて、衣食住の種々のところで利用されていた柿渋の重要性を解説しました。その後、活発に質疑応答が為されました。
その後、参加者の方には、4つの班に分かれていただき、それぞれ柿渋の4つの特性に関した体験実習を順繰りにしていただきました。
1)お茶のタンニンと赤ワインのタンニン、カキタンニンの渋みを味わいました。
比較のため、口に含んで渋みを感じていただきました。
2)柿渋を塗ると、和紙を強くします。金魚すくいのポイに柿渋を塗布して、
その強さを実感していただきました。
3)柿渋を染み込ませたろ紙を使って、柿渋と金属イオンは強く結合して、発
色します。鉄とチタンを用いた実験をしました。
4)清酒のおり下げを理解していただくために、柿渋と卵白のタンパク質が結
合して、白濁、沈殿する実験をしました。
参加者の多くの方に、楽しく興味を持っていただいたと感じております。
それぞれの体験学習の担当者に多くの質問が寄せられました。参加いただいた方に楽しい時間を過ごしていただき、合わせて柿渋の特徴を理解いただけたと思います。
平成31年3月28日 文責 松尾 友明