【市民講演会 及び柿渋展示会】無事終了しました。
「柿渋ニューワールドへの扉を拓く!!」
~その魅力と課題、そしてエコ社会の再生へ~
■日時 平成28年10月27日(木)13:00~17:15
■会場 国立国会図書館関西館 大会議室
(住所)〒619-0287 京都府相楽郡精華町精華台8-1-3
(電話)代表:0774-98-134(資料案内)
(最寄り駅)JR新祝園駅、近鉄・祝園駅よりバス
■主催 柿渋・カキタンニン研究会・国立国会図書館 後援:精華町
■プログラム
・13:00-13:15
講演会の趣旨と研究会の活動内容および国立国会図書館と共催する意義
松尾 友明 (柿渋・カキタンニン研究会会長)
・13:15-13:55
柿渋原料果実の生産向上に向けての課題克服について
濱崎 貞弘(奈良県農業研究開発センタ- 加工科総括研究員)
・13:55-14:35
渋柿の渋の抜ける、抜けないのはどうして決まる?!
板井章浩(京都府立大学大学院・教授)
・14:35-14:50 <休憩時間 (展示物の見学・意見交換)>
・14:50-15:30
渋柿の渋み成分の悪酔い防止効果とサプリメント販売戦略
板村 裕之(島根大学生物資源科学部・教授)
・15:30-16:10
染料屋から見た柿渋の魅力と課題
田中 直輔(田中直染料店 9代目社長)
・16:10-16:45
柿渋研究の情報基盤を考える:デ-タベ-スの活用からみえるもの
依田 紀久 (国立国会図書館関西館文献提供課)
・16:45-17:15 総合討論
・17:15-18:00 見学・意見交換会
・18:00-19:00 交流会(名刺交換など)
■参 加 費: 無料
■参加定員: 150名
(チラシ:市民講演会&柿渋講演会チラシ20161027.pdf )
■講演会などの開催趣旨について
京都府南部は歴史的に「柿渋」の全国的に著明な生産地であり、清酒のおり下げや染色、塗料など日本人の生活の中で多種多様に利用されてきました。しかしながら、近年安定的供給が可能で、安価で耐久性に優れた石油由来の染料や塗料、プラスチック製品に多くは取って代わられてしまいました。ヒトや環境に優しい自然素材の重要性が再認識されてきました今日において、柿渋の生産・利用に関わる諸問題を検討して、高品質の柿渋を安定的に生産して、新規な用途開発を行い、京阪奈地域での起業、産業育成、果樹産業の活性化を目指すことは極めて重要であると考えられます。
本講演会はこれらの諸問題に関してそれぞれの専門家に平易で解りやすく話題提供をしていただき、その後参加者全員で双方的に意見交換、技術交流を行うことを目的としています。また、今回は柿渋とカキタンニンの古典的な文献から現在までの新技術や科学的知識を幅広く調査・研究することがより一層今後の本研究会の活動を活発化する上で重要と考え、国立国会図書館の機能を十分に活用する方法を学ぶための機会としてもこの講演会を企画・開催することにしました。合わせて、当日は柿渋を使った様々な製品の展示と解説および国立国会図書館の見学も行います。
柿渋は中世から近代日本の社会を支えてきた天然物質であり、柿渋の積極的な利用は市民に優しい、暮らしやすいエコ社会の再生にも繋がると考えられます。この物質の生産・利用を核として大都市とローカル地域間の人々の交流も促進でき、新しい社会的流動モデルとしての提案にもなるかと期待しております。高校生や大学生などの若い人にも参加していただき、この古くて新しい天然物質の生産、利用、文化に興味を抱いていただくことを願っております。
<京都府立大学地域貢献型特別研究事業(ACTR)>
柿渋・カキタンニン研究会会長 :松尾友明・鹿児島大学名誉教授
事務局:京都府立大学精華キャンパス野菜花卉研究室内
寺林 敏・京都府立大学生命環境科学研究科教授