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柿渋・カキタンニン研究会の設立趣旨

渋柿の渋味成分はカキタンニンと呼ばれ、このカキタンニンが高濃度で含まれている、渋柿の搾汁液を半年から1、2年発酵させて、夾雑物を減らして様々な用途に利用できるように製造したのが柿渋である。

昭和初期まで、この柿渋は日本人の生活には欠かせない必需品であった。たとえば、和紙、糸、布、材木に塗布してそれらの撥水性・防水性・耐摩耗性・防虫性および消臭効果を高める素材として利用していた。具体的には、和傘、漁網、着物、渋張り行李、樽、一閑張りの容器、伊勢型紙、酒袋、柱や建築材などに利用されていた。また、清酒のおり下げ行程における濁り蛋白質の除去にも使われており、他に重金属の除去、ウイルスや細菌の増殖抑制効果、血圧降下作用や止血・やけどの治癒効果などが報告されている。現在は、再び天然塗料・天然染料として注目されている。
 
このような特徴ある天然有機高分子化合物である、カキタンニン及び着色変性した柿渋の理解と応用を目指した研究会を設立するものである。特に、京都府南部では伝統的に柿渋の生産が続いており、またそれらを利用する伝統産業も盛んである。加えて、新規産業の起業意欲も高い土地である。それゆえ、この地域で設立する研究会は、柿渋の伝統的文化・技術の継承と保存、若者の教育、現在の柿渋産業の育成・活性化、今後の新製品の開発・新規利用を可能にする、人的情報的ネットワークの
核を形成しようとするものである。
 

事務局

住所:
〒619-0215 木津川市梅美台6-16-2 松尾 友明方
  柿渋・カキタンニン研究会
メール:kaki@tannin.info