カウンタ

ご訪問483822

facebookもご覧ください

 

第3回ワークショップのご報告

第3回ワークショップ柿渋の原料となる渋柿を増やすのご報告


本研究会は柿渋およびカキタンニンの関連産業の発展を通して地域社会の発展や市民交流の活性化を目指した活動を行っております。京都府の地域力再生プロジェクトの支援をいただきました、今年度の最後の活動として、3回目のワークショップ(体験学習)を平成28年3月24日に三桝嘉七商店の会議室と農場、畑をお借りして実施いたしました。

柿渋の原料生産、柿渋の製造、柿渋の利用・加工のサイクルが連動してより活発に動くことが産業の発展に重要であることを市民の多くの方に理解していただくことを意図して、本日は、昨年に実施しました「柿渋を作る!」、「柿渋を楽しく使う!」 の2回のワークショップに続いて「柿渋の原料となる渋柿を増やす!」というテーマで行いました。

中国の河北農業大学からの1名の参加者を含めて12名(女性:2名)の方々の参加をいただきました。

 

最初は、樹木医師である上田 惇氏に「渋柿の栽培について」ミニ講義をしていただきました。柿の多種多様な品種から日本人と柿の歴史的な関わり合い、天王柿との出会い、柿栽培の準備、生育サイクルから見た栽培の注意点、病害虫、渋柿の機能性、天王柿の特徴などを簡潔に整理されて説明されました。特に、天王柿の増産に関して、実生苗の増殖や挿し木繁殖にも言及され、たくさんの資料をまじえて話題提供されました。



その後、上田氏と三桝嘉七商店の三桝武雄会長のご説明・ご指導のもとに、各自天王柿の種子を2粒ずつポット植えしました。
 

 

続いて、農場で接木繁殖されている天王柿の若木苗および成木を見学して、次に畑に移動して、全員で4年生の接木苗を植え込みする実習を行いました。
 

柿渋を製造過程で廃棄される、渋柿の搾りかすを堆肥化して、肥料として利用する点が非常に興味深いものでした。

また、植え込み後の乾燥に気をつけることも学びました。

 

その後、また会議室に戻り、最後に本研究会の松尾がミニトークとして、「天王柿の多様な用途への検討」という話題を提供しました。天王柿の栽培本数が増えた場合に、柿渋の原料として、未熟果実を収穫するだけでなく、搾りかすの高度な利用や成熟果、熟し柿、干し柿、緑の若い葉の利用、完熟果の果皮、果実の種子、材木などの加工・利用の可能性について説明いたしました。
 

最後は、全員で質疑応答、意見交換を行いました。柿の葉茶の製造に関する問題点や成分の機能性、挿し木繁殖の今後の課題、中国の渋柿の利用、天王柿の産地化についての JA京都やましろの取り組みなど様々な意見交換が活発になされて大変有意義な興味深いワークショップが実施できたと感じております。

=====================================

 ワークショップ :柿渋の原料となる渋柿を増やす
柿渋は様々な利用が可能な非常に特異な天然物質であり、古くから染色や塗料、あるいは清酒やみりんのおり下げ等に利用されてきました。現在も数多くの新規な用途開発が進んでおります。さらに、柿渋産業を発展させるためには、必然的に原料である、タンニン含量の高い、扱いやすい原料渋柿を増産する必要があります。本ワークショップでは、優秀な原料柿の一つである「天王柿」の生産に関する技術を体験学習致します。

■テーマ・講師:
1.ミニ講義「渋柿の栽培について」
    講師  樹木医師 上田 惇
2.柿渋の原料柿の優良品種である天王柿の成木および2、3年生苗の見学
3.天王柿の種子を植える
4.天王柿の接木苗を畑に植栽する (三桝嘉七商店の近くの柿畑)
5.ミニトーク「天王柿の今後の利用の可能性について」
    講師  鹿児島大学名誉教授  松尾友明
■日  時: 平成28年3月24日(木)午後1時から3時頃
■会  場: 株式会社三桝嘉七商店   ※現地集合
  木津川市【いずみホール】の北側
  〒619-0217 京都府木津川市木津町宮ノ内9番地
  Tel.0774-72-0216
 ●近鉄電車ご利用の場合
  京都線高の原駅下車。車で約10分。
  京都駅から約35分、難波駅から約40分(西大寺駅乗り換え)
 ●JRご利用の場合
  奈良線木津駅下車。車で約5分。(徒歩約15分)
 ●地図
■参 加 費  :無料
■参加定員: 10名 限定(先着順)